自己破産はいくらからできる?金額の目安や平均、手続きにかかる費用を解説

借金でお悩みのご相談者様から、自己破産のタイミングについてご質問をいただくことがあります。

自己破産を検討しているものの、借金の額が基準に満たなければどうしよう?といった不安があるのでしょう。また、自己破産をするにもお金がかかるため、手続きに必要な費用相場が知りたいという方も多いです。

そこでこの記事では、借金がいくらになれば自己破産できるかをわかりやすく解説します。弁護士・司法書士費用の支払い方法についても説明するので、自己破産をお考えの方はぜひお読みください。

自己破産はいくらから?借金額の平均

結論から言いますと、自己破産には「借金が◯万円以上なければ手続きできない」といったルールはありません。

返済が困難であり、裁判所に支払不能と認めてもらえれば、たとえ数十万程度の借金でも自己破産が可能です。そもそも収入や所有財産は人によって異なるため、借金の平均額を出したところであまり参考にはならないでしょう。

あえて基準額を決めるとするならば「借金の総額が年収を上回っているかどうか」が一つの目安となります。年収を上回る借金は、一度滞納するとその後返済を続けていくのは難しいからです。

資産やまとまった収入があれば話は別ですが、そうでなければできるだけ早く専門家へ相談することをおすすめします。

自己破産を検討すべきタイミング

借金でお悩みの方で、以下に該当するものがある方は、すでに自己破産を検討すべき段階にあるかもしれません。

  • 返済資金を用意できない
  • 数ヶ月にわたり借金を滞納している
  • 借金返済のために借金をしている
  • 債権者から督促の通知が届いている
  • 病気やケガなどの理由で就労できない

借金を抱える理由は人それぞれです。保証人として返済の義務を負わなければいけなくなるパターンや、リストラによる収入減で借入を繰り返してしまう方もいます。

滞納が続けば、債権者に裁判を起こされたり社会的信用を失う可能性もあるでしょう。

なお、法律では借金の時効について定めがありますが、時効成立によって借金が消滅するケースはほとんどありません。借金を踏み倒すことは難しいため、何かしらの手段で解決を目指さなくてはいけないのです。

少額返済できるなら自己破産以外の債務整理も可

借金の額や収入次第では、自己破産以外の債務整理で返済負担の軽減を目指すこともあります。(任意整理や個人再生など)

これらの方法は月々の返済額を減額できる上、家や車などを所有し続けられる可能性もあります。また、ブラックリストの登録期間が自己破産より短いため、債務整理後に借入やカードの申込がしやすい点も大きなメリットです。

どの方法が最善かは借金の額や収入によって大きく異なるため、専門家に相談しながら進めていくのが望ましいでしょう。

自己破産の条件

自己破産をするための条件は次の2つです。

  1. 支払不能であること
  2. 免責不許可事由に該当しない

具体的な内容を見ていきましょう。

1.支払不能であること

自己破産をするには、裁判所に支払不能と認めてもらうことが条件となります。

この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態(信託財産の破産にあっては、受託者が、信託財産による支払能力を欠くために、信託財産責任負担債務(信託法(平成十八年法律第百八号)第二条第九項に規定する信託財産責任負担債務をいう。以下同じ。)のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態)をいう。

引用元:破産法第2条11項

借金を滞納していて、かつこの先も返済の見通しが立たなければ支払不能と認められるケースがほとんどです。

たとえば、月々の返済額が収入を上回っていて貯蓄もない状態であれば支払不能と判断されるでしょう。

反対に、月々の収入での返済は困難でも、相続などで借金の額を上回る資産があれば支払不能とは認められない(=自己破産はできない)可能性が高いです。

2.免責不許可事由に該当しない

破産手続きを行なったからといって、必ずしも自己破産が成立するわけではありません。

裁判所が免責不許可事由にあたると判断すれば、支払不能でも借金が免除されない場合があります。

  • 所得・財産隠し
  • クレジットカードの現金化
  • 浪費・ギャンブル
  • 虚偽の申告
  • 財産に関する書類の偽造など

これらはすべて、免責不許可事由に該当する行為です。

発覚すれば自己破産はできず、自力で借金を返済していかなければなりません。給与や預貯金は差し押さえられ、今まで以上に家計が苦しくなる可能性もあるでしょう。

また、債権者が複数ある場合、特定の債権者を優遇して返済することも原則認められません。

なお、自己破産は2回目以降も手続きできますが、その場合は前回から7年経過していることが条件となります。

自己破産の手続きにかかる費用相場

自己破産は、借金の額や財産の有無によってかかる費用が異なります。

借金が少額であり、かつ財産が少なければ30万円ほど。債務が大きく資産も多ければ100万円以上かかることがあります。

補足ですが、資産が多く財産処分に時間がかかる場合の自己破産は管財事件として取り扱われます。管財事件では破産管財人※に対して、手続き開始前に予納金を支払わなければなりません。(予納金の相場は20〜50万円)

※財産の調査や処分を行うため、裁判所に選任された人のこと

自己破産にかかる費用|相場や払えない場合の対処法を解説

自己破産の費用の費用が払えない場合の対処法

「自己破産を検討しているが費用が支払えない…」このような場合の対処法は次の2つです。

  1. 法テラスを利用する
  2. 費用を分割で払う

具体的な方法も解説していきます。

1.法テラスを利用する

法テラス(日本司法支援センター)は、法的トラブルを解決するために国が設立した総合案内所です。

経済的理由で専門家へ相談できない、あるいは誰に相談すべきかわからないといった方を対象に無料の法律相談を行なっています。(電話相談も可)

自己破産の手続きを弁護士や司法書士に依頼した場合は、費用の立て替え制度も利用可能です。かかった費用は利用者が分割で法テラスに返済します。

立て替え制度の利用には、法テラスが定める収入基準と資産基準を満たすことが条件となります。また、審査には資力を証明する書類(給与明細や確定申告書の写しなど)も必要です。

法テラスは立て替え制度の利用が可能かどうかも含めて相談できるので、気になる方は問い合わせしてみることをおすすめします。

参考:日本司法支援センター 法テラス

2.弁護士・司法書士費用を分割で支払う

多くの弁護士・司法書士事務所では、自己破産にかかる費用の分割払いが可能です。

というのも、自己破産を検討している方はすでに生活が困窮しているケースが多いです。中には借金返済のために借金を繰り返す方もいて、そこから自己破産の費用を捻出するのは難しいでしょう。

専門家はその事情を理解していますので、分割払いに柔軟に対応してもらえる可能性が高いです。分割条件(月々の支払額や分割回数など)は各事務所で異なるため、相談の段階で分割払いのシミュレーションをしてもらうのがいいかもしれません。

自己破産をするのに借金額の基準はない|返済でお困りの方は早めの相談を

借金がいくらであっても、返済が困難な状況であれば自己破産は可能です。

基準額や平均額はありませんので、すでに滞納を繰り返している方はできるだけ早く専門家に相談しましょう。

当事務所では、自己破産の特設チームが借金問題の解決に向けて徹底サポートを行っております。一人ひとりの状況に合わせて最善の方法をご提案いたしますので、借金問題でお困りの方はお気軽にお問い合せください。

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