自己破産するとどうなるのか|破産後の生活と注意点を解説

「自己破産をするとその後の生活はどうなるの?」
「職場や家族に迷惑をかけるのが心配…」

返済しきれなくなった借金をすべて免除できる自己破産。

取り立てのストレスから解放されるのは大きなメリットですが、それと引き換えに生活の一部で制限されることがあります。家族や仕事への影響、財産処分などの不安から自己破産できず、滞納を続けてしまう方は少なくありません。

そこで今回は、自己破産後の生活がどのように変化するかをわかりやすく解説します。

自己破産するとどうなるの?

自己破産=全財産を失うとイメージされる方は多いですが、自己破産したからといって身ぐるみをすべてはがされるわけではありません。

そもそも自己破産は、債務者の「経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的破産法第1条)」としています。

借金で悩む人を追い詰めるものではなく、むしろ救済するために国が定めた制度です。したがって、自己破産することを必要以上にネガティブにとらえなくても大丈夫です。

基本的には今まで通りの生活が送れる

自己破産後の生活は、手続きをする前と比べ目に見えて大きく変化する点はほとんどありません

自己破産をした事実が戸籍や住民票に記載されることはないですし、スマホや携帯電話も今まで通り使えます。

よくある誤解で「給料が没収される」「旅行に行けない」といったものがありますが、収入の使い道は制限されません。また、外出の制限もないのでこれまでと同じような生活が送れます。

必要最低限の財産は手元に残せる

自己破産をするにあたり、高額な財産をお持ちの場合は処分の対象となります。

しかし財産がほとんどない、あるいは少額の場合は手元に残しておくことが可能です。具体的には、自己破産をはじめる時点で所有している現金が99万円以下ならば、自由財産とみなされ処分されずに済みます。

また、自己破産の手続きが成立した後に得た収入も自分のものとして自由に使えます。

家や車は手放さなければいけない可能性がある

資産価値がある持ち家や車は、残念ながら売却される可能性が非常に高いです。

住宅ローンが残っている場合、裁判所が選任する破産管財人によって売却活動が行われます。売却によって得たお金は債権者に配当され、ローン残債の返済にあてられます。

自己破産した事実は信用情報機関に登録(いわゆるブラックリスト入りの状態)されるため、当面はローンや借入はできません。したがって、自己破産で家が売却された場合、賃貸物件に転居する必要があります。

車やバイクなども、資産価値があれば破産管財人によって処分されるでしょう。ローンが残っていれば、原則としてローン会社が引き揚げることになります。(所有権留保や担保が設定されていなければこの限りではありません)

ローンを完済(または一括払い)していて、かつ評価額が20万円以下の車やバイクは、自己破産後も所有し続けられる可能性があります。

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第三者に自己破産が知られるケースはほぼない

自己破産をするにあたって、その事実を他人に知られたくないと考える方は多いでしょう。

結論から言いますと、自己破産をしたことが第三者に知られることはほとんどありません。冒頭でもお伝えした通り、自己破産したことが戸籍に残ることはないですし、勤め先に通知されるケースはごく稀です。

自己破産すると官報(国が発行する機関紙)に氏名と住所が掲載されます。官報は誰でも無料で閲覧できるものなので、第三者が自己破産した人の情報を知ることは可能です。しかし、官報を毎日隅々までチェックする一般の方はほとんどいないと考えられます。

補足ですが、会社に知られる例には次のものがあります。

  • 会社に借金がある
  • 退職金証明書を取得する時
  • 自己破産によって就業が制限される職業に就いている

就業が制限される職業についてはこちらをご覧ください。

自己破産すると家族や仕事に影響がある?

自己破産をする上で、家族や職場への影響を懸念される方は多いです。

自己破産は個人に対して施行されるものですから、家族が連帯的に責任を負わされることはありません。一部職業を除いては、勤め先に迷惑をかけることもないと考えていいでしょう。

同居家族に内緒で手続きするのは難しい

自己破産による制限を受けるのは、破産を申し立てた本人のみです。

しかし、本人名義の家や車が処分されるとなると、同居しているご家族の生活も変化することになるでしょう。手続きを進める上で弁護士や司法書士とのやりとりも発生しますし、裁判所から郵便物が届くこともあります。

また、自己破産後は当面ローンが組めなくなりますし、クレジットカードの申込もできません。(自己破産した本人以外の名義であれば、ローンを組んだりカードを所有することは可能です)

以上の理由から、生活を共にするご家族に内緒で自己破産を進めるのは難しいといえるでしょう。

自己破産後クレジットカードが取得できるようになるまでの期間

自己破産を理由にクビになることはない

現在の日本の法律では、使用者(会社)が正当な理由なくして従業員を解雇することは認められていません。

なぜなら、従業員の借金と労務には何の関係もないからです。(会社からお金を借りている場合は除く)

自己破産するとクビになると心配される方は非常に多いですが、そのようなことはありませんのでご安心ください。

一部職業は就業が制限される

自己破産を理由に会社を解雇されることはありませんが、下記職業のみ一時的に就業が制限されます。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • 公認会計士
  • 宅地建物取引士など

多くの士業では、自己破産することが欠格事由*とみなされます。

資格そのものが奪われることはありませんが、自己破産開始決定後、一定期間は資格が使えなくなります。(別の仕事であれば労働自体は可能です)

復権には、通常4〜6ヶ月ほどかかります。

上記のほか、金融業や警備業、生命保険外交員など顧客の個人情報を取り扱う職業は就業が制限される場合があります。

※欠格事由…要求されている資格を欠くような事柄

自己破産すると年金がもらえない?

公的年金(国民年金と厚生年金)は、自己破産をしても受給が可能です。

これは、公的年金が憲法で定められている「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」によって保証されているためです。生活する上で必要なお金は自由財産とみなされることから、年金が差し押さえられることはありません。

自己破産経験者のその後の人生

ここまでは、自己破産後の生活がどのように変化するかをお伝えしました。

実際に破産申立てをした方々がその後どのような生活を送っているのか、ここからは体験談をまじえてご紹介します。

60代男性・個人事業主のケース

20年以上、個人事業主として細々と事業を営んでおりました。

業績が悪化しはじめたのは7年ほど前。最初は消費者金融から月2〜3万ほど借入をして、生活費にあてていました。

季節で売上が大きく変わる商売なので、売上のいい月にまとめて返済するつもりでした。時代の変化にうまく対応できなかった私は、業界で生き残っていくのが難しくなり、返済のために借入をするような事態に。

気がついた時には借金は1000万円以上まで膨らんでいたのです。連日取立ての電話が入り、ストレスでいくつも円形脱毛症ができました。

このままでは自分だけでなく、家族の人生も狂わせてしまうと思い、藁にもすがる思いでりらいふ法務事務所さんに相談しました。自己破産を提案してもらった時は、正直なところ「人生が終わった」と感じたのを覚えています。

しかし、今となっては自己破産して本当によかったです。督促のストレスはすぐになくなりましたし、自己破産が成立したと報告をもらった時は自然と涙がこぼれ落ちました。

心配していた自己破産後の生活ですが、想像していたような窮屈なものにはなっていません。普通の生活はできますし、残りの人生をやり直す機会をくれたりらいふさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

30代女性・アルバイトのケース

私にはもともと、仕事のストレスを買い物で発散するクセがありました。

最初はお給料の範囲でやりくりできていましたが、徐々にリボ払いを繰り返すようになり、気付けば400万以上の借金を抱えてました。借金と仕事の不安から鬱も経験しています。

親に迷惑はかけられないし、かといって自分の収入にも限界があるし…。バイトも掛け持ちしたけど全然追いつかなくて、途方に暮れていた時に出会ったのがりらいふ法務事務所さんです。

事情を説明するのはとても恥ずかしく勇気のいることでしたが、先生はいつでも親身に話を聞いてくださいました。自己破産することを決めた時は、実のところ不安で仕方がなかったです。30代で自己破産なんてしたら、一生結婚できないと思ったので…。

自己破産後の生活でとくに困ったことはありません。カードが使えないのは不安でしたが、手元にあるお金だけでやりくりする習慣が身につきましたし、お金の管理も人並みにできるようになりました。

戸籍にも残らないし、時間が経てばブラックリストも解除されます。「借金が膨らむ前に早く対処した方がいいよ」と当時の自分に教えてあげたいです。

40代男性・会社員のケース

35年で住宅ローンを組んで5年目の時に妻の病気が発覚。わが家は共働きでしたので、僕一人の収入ではギリギリの生活でした。

死に物狂いで働きましたが、医療費に加え子どもたちの養育費が両肩にのしかかり本当につらかったです。この年で親を頼るのは恥ずかしいと思いつつ、何度か援助してもらったこともあります。

親が亡くなった後はいよいよ誰にも頼ることができず、ダメとわかっていつつも消費者金融のお世話になりました。返済にあてるお金がないので自転車操業となり、借金は500万円を超えました

自己破産を視野にあちこちに相談し、一番親身に話を聞いてくれたりらいふ法務事務所にお願いすることに。先生はすぐに手続きを進めてくれて、僕の不安も都度丁寧に解消してくれました。

結果的に夢のマイホームは手放すこととなりましたが、僕たち家族にとって最善の選択だったと思います。また一からやり直し、家族全員で幸せな生活を築いていきたいです。

家族に知られず借金問題を解決する2つの方法

自己破産は、その性質上同居の家族に隠したまま手続きを進めるのは困難です。

どうしても家族に知られたくなければ、自己破産以外の以下2つの方法をおすすめします。

  1. 任意整理
  2. 個人再生

ここからはそれぞれの方法を詳しく解説していきます。

方法①任意整理

任意整理とは、借金の返済額を減らすことで月々の返済負担を軽減する債務整理の一つです。

任意整理をすると、利息をカットした元金のみを返済することになります。自己破産のようにすべての借金を帳消しにするものではありませんが、裁判所が関与しない分手続きは比較的簡単に進められます。

任意整理の大きな特徴は、手続きする借入先を選べる点です。複数の金融機関から借入をしている場合、住宅ローンを契約した金融機関以外で手続きすれば持ち家は手放さずに済みます。

借金があるからといって、いきなり自己破産を進める必要はありません。よりリスクの少ない方法を選ぶなら、まずは任意整理で借金問題の解決を目指していきましょう。

任意整理のご依頼についてはこちらをご覧ください。

任意整理とは|減額対象になるローンの種類やデメリットも解説

方法②個人再生

もう一つ、家族に知られず借金返済の負担を軽減できる方法の一つに個人再生があります。

個人再生とは、裁判所に債務の減額を認めてもらい、減額後の借金を3〜5年かけて返済していく方法です。借金は最大90%カットされ、残った借金の返済義務もなくなります。

自己破産とは異なり、個人再生は一定の条件を満たすことで家や車などを処分せずに済みます。(住宅ローンが残っている場合、住宅ローン特例を使い返済を継続し、持ち家に済み続けることが可能)

絶対隠し通せるとは言い切れませんが、家族に知られるリスクは自己破産よりも低いと言えるでしょう。

個人再生のご相談についてはこちらをご覧ください。

まとめ:自己破産しても仕事や収入は失いません

自己破産を検討中されている相談者様の中には、その後の生活が不自由になることを懸念される方が非常に多いです。

自己破産をすると、必要最低限の財産以外は原則処分されることになります。しかし、仕事を解雇されることはありませんし、破産後に得た収入も自由に使えます。

当面はローンや借入はできませんが、一生ブラックリスト入りするわけではありません。他人に知られる可能性は低く、基本的には今までと同じ生活が送れます。

自己破産は、お金の使い方を改めるきっかけとなるものです。必要以上にネガティブにとらえず、前向きな気持ちで借金問題を解決していきましょう。

当事務所では、これまでにさまざまな相談者様のお悩みを解決してきました。徹底したサポートで、一人ひとりに合った最善の方法をご提案いたします。自己破産をお考えでしたら、お気軽に当事務所までお問合せください。

田中 聖晃

顧客第一主義を掲げ、プロ意識を持ってご依頼者の方一人一人が抱えるお悩みをしっかりお聞きし、「安心、丁寧、迅速」をモットーに法律専門家として司法書士、スタッフ一丸となり最善の方法をご提案し徹底的なサポートを提供いたします。

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