クレジットカードの過払い金の仕組みや請求方法を解説

「クレジットカードで過払い金が発生しているかもしれない」
「払い過ぎたお金を返してもらうにはどんな手続きが必要?」

クレジットカードでキャッシングを利用した経験のある方は、過払い金が発生している可能性があります。

過払い金とはその名の通り払い過ぎたお金のことで、一定の条件をクリアしていれば返還請求が可能です。借入内容によっては100万円以上返還されることもあるため、心当たりのある方は過払い金の有無を調べてみるのがいいでしょう。

この記事では、クレジットカードの過払い金が発生する仕組みや条件をまとめました。請求方法についても解説するので、過払い金が発生している可能性のある方はぜひお読みください。

クレジットカードの過払い金とは

過払い金とは、クレジットカードのキャッシングやローンで払い過ぎたお金のことを指します。

本来払う必要のないお金であるため、もし払い過ぎたお金があれば返還してもらうことが可能です。長い間返済し続けている借金がある方は、過払い金の有無を調べてみるのがいいかもしれません。

クレジットカードの過払い金が発生する仕組み

そもそもなぜクレジットカードの利用で過払い金が発生するのか、まずはその仕組みを解説します。

過払い金とはすなわち「払い過ぎたお金」のことですが、その正体は法律が定める上限を超えた金利です。

日本には金利の上限を定める法律(所得制限法)があり、現在は上限金利が年15%〜20%と定められています。この上限金利を超える金利は刑事罰の対象となるのですが、実はかつて別の法律(出資法)で上限金利を29.2%としている時代がありました。

2つの法律でそれぞれ別の上限金利を定めていたため、所得制限法の上限金利を上回っていても出資法の29.2%を超えなければ処罰の対象にはならなかったのです。

この2つの上限金利の間の金利はグレーゾーン金利と呼ばれ、法律の抜け穴をついた貸付を行っていた貸金業者が後を絶ちませんでした。

その後、法改正によってグレーゾーン金利は撤廃となります。結果として払い過ぎていた金利を過払い金として返還請求できるようになったというのが一連の経緯です。

クレジットカードの過払い金の調べ方

クレジットカードでキャッシングをしたことがあるからといって、必ずしも過払い金が発生するとは限りません。

前述の通り「グレーゾーン金利で借入した」というのが前提条件であり、かつそれ以外にもいくつかの条件を満たしている必要があります。

過払い金が発生しているかどうかを簡単に調べるには、過払い金の計算をシュミレートできるサイトを使うのが便利です。「過払い金 計算」などと検索すると複数のサイトがヒットします。

ただしwebサイトで確認できるのはあくまで参考金額なので、正確な情報を知るには弁護士や司法書士などの専門家へ相談するのがおすすめです。(過払い金の有無はご自身でも調べられますが、計算が複雑であり、実際の返還請求は手続きも煩雑です)

クレジットカードの過払い金請求ができる条件

クレジットカードで過払い金が発生する条件は次の4つです。

  1. クレジットカードのキャッシングを利用したことがある
  2. 2010年6月以前の借入である
  3. 消滅時効(借金完済から10年)を過ぎていない
  4. クレジットカード会社が倒産していない

ここからはそれぞれの条件を詳しく解説します。

条件①クレジットカードのキャッシングを利用したことがある

過払い金は元をたどれば借金であり、本来ならば払う必要のないお金です。

過払い金が発生するかどうかは、借金をしたことがあるというのが大前提となります。クレジットカードにおいてはキャッシングやカードローン、リボ払いなどが対象です。

クレジットカードでショッピング利用をする方が多いかと思いますが、ショッピング利用では過払い金は発生しません

理由は、ショッピング利用にかかるのが「利息」ではなく「分割手数料」だからです。またショッピング利用には割賦販売法が、キャッシングなどは利息制限法と適用される法律も異なります。

クレジットカードで買い物をしたというだけでは過払い金は発生しないのです。

条件②2010年6月以前の借入である

過払い金が発生するのは、グレーゾーン金利で借入をしていた場合に限られます。

グレーゾーン金利は、2010年6月18日に施行された貸金業法および出資法改正前に存在していたものです。つまり、2010年6月以前の借入であれば過払い金が発生している可能性があると考えられます。

さかのぼること2006年、最高裁判所がグレーゾーン金利は無効であるとの判決を下しました。2008年頃までは多くの貸金業者がグレーゾーン金利で貸付を行っていましたが、この頃には過払い金の返還を請求する事例が増えています。

グレーゾーン金利自体はすでに撤廃となっているため、2010年6月の法改正以降は過払い金は発生しないと言えるでしょう。

条件③消滅時効(借金完済から10年)を過ぎていない

過払い金の返還請求には期限があるため、リミットを過ぎてしまうとお金を返してもらうことができません。

過払い金の返還請求は10年で時効が成立します。正確には「最後に取引した日から10年」となる日が時効となります。

例えば2000年12月1日にクレジットカードでキャッシングをしたとしましょう。毎月返済を続け、2015年の3月31日に完済した場合は2025年3月31日に消滅時効が成立します。

このケースで2025年4月以降に過払い金の返還請求をしたとしても、すでに時効が成立しているため払い過ぎたお金を返してもらうことはできません。

過払い金の返還請求には取引履歴の開示や引き直し計算、和解交渉などが必要です。これらの工程には数ヶ月ほど時間を要するため、過払い金が発生している可能性があれば早め早めの行動をおすすめします。

条件④クレジットカード会社が倒産していない

クレジットカード会社が倒産していた場合、過払い金の返還請求ができない可能性があります。

実のところ、法改正によるグレーゾーン金利の撤廃をきっかけに倒産した貸金業者は数多く存在します。

グレーゾーン金利での貸付が行われていた当初、貸金業者のTVCMを見かけない日はほとんどありませんでした。

しかし法改正以降は貸金業者の倒産が相次ぎ、その件数はピーク時の10分の1以下にまで減少。結果として過払い金が発生しているにも関わらず返還請求できなかったという事例が数多く報告されています。

条件次第では配当を受け取れることもあるのですが、手元に戻ってくるお金が少なくなるケースがほとんどです。

クレジットカードの過払い金請求のデメリット

過払い金の返還請求は、払い過ぎたお金が返ってくるのが最大のメリットです。

一方で、返済状況次第では以下のデメリットがあることも知っておく必要があるでしょう。

  1. クレジットカードが使えなくなる
  2. ブラックリストに登録される可能性がある

ここからは上記2つのデメリットを詳しく解説していきます。

デメリット①クレジットカードが使えなくなる

過払い金の返還請求をすると、原則として手続きしたクレジットカードは利用できなくなります。

これは返還請求によってクレジットカードが解約扱いとなるためです。キャッシングやリボ払いだけでなく、ショッピング利用もできません

公共料金などをカード払いにしている場合、別のカードや口座引落など支払い方法の変更が必要となるでしょう。また付帯するポイントなども解約と同時に消滅します。

なお、解約となるのは過払い金の返還請求をしたカードのみで、そのほかのカードに影響はありません。

デメリット②ブラックリストに登録される可能性がある

過払い金の返還請求をしようとするクレジットカードで、今も返済中の借金がある場合はブラックリストに登録される可能性があります。

過払い金が発生していても、返済中の借金があれば過払い金と借金残高は相殺されます。相殺後も借金が残っていれば任意整理をしたとみなされ、信用情報機関に事故情報が登録されてしまうのです。

ブラックリストに登録されると、信用情報が回復するまでは新規の借入ができません。当面は住宅ローンや自動車ローンはもちろんのこと、新たにクレジットカードを契約することもできなくなります。

また携帯電話やスマートフォン端末の分割払いもできないため、機種変更時の支払い方法は一括払いに限られます。

ブラックリストが削除されるまでの期間は、借金完済から約5年です。過払い金の返還請求で借金が相殺された後、残債を払い終えてから約5年間はローンや新規クレジットカードの審査に通るのは難しいでしょう。

クレジットカードの過払い金請求の手続き方法

過払い金の返還請求の手続きは以下の流れで進められます。

  1. 専門家に相談する
  2. 取引履歴を開示請求する
  3. 引き直し計算をする
  4. 過払い金の返還請求書を送付する
  5. 和解交渉をする
  6. 訴訟を提起する
  7. 過払い金が返還される

過払い金の返還請求は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼して行うのが一般的です。

自分で手続きすることもできますが、手続きや計算が煩雑な上に貸金業者との交渉も必要となるため、知識のない方が一人でやろうとするのはおすすめできません。

手続きには過去の取引履歴を取り寄せたり、請求可能な金額を調べる引き直し計算が必要です。これらの情報をもとに返還請求書を作成し、和解交渉へと進んでいきます。

交渉がうまくいかなければ訴訟を起こすこともあります。お金が振り込まれるまでには、どんなに早くても3ヶ月はかかると思っていてください。

クレジットカードの過払い金請求が及ぼす影響

過払い金の返還請求をすると「職場に知られてしまう」「二度とクレジットカードを作れない」などと考える方は多いです。

ご自身が第三者に話をしなければ、過払い金の返還請求をした事実が勤務先に知られることはありません。状況次第でクレジットカードが使えなくなる可能性はありますが、一定の時間が経過すればふたたびカードを所有することは可能です。

過払い金の返還請求をしても、基本的には今までと同じ生活が送れます。借金に関することは人に話しづらい内容ですので、不安や疑問点があればお気軽に当事務所までお問い合わせください。

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クレジットカードの過払い金にまつわるよくある質問

最後はご相談者様から多く寄せられるクレジットカードの過払い金に関する質問と回答をまとめました。

Q.過払い金請求の対象となるクレジットカード会社が知りたいです。

過払い金請求の条件を満たしていて、かつVISAやMastercard、JCBといった国際ブランドの加盟店であれば基本的には返還請求が可能です。

闇金やサラ金などからの借入は対象外となりますが、万が一のトラブルは専用窓口へ相談しましょう。

闇金に関するトラブルの相談先

Q.クレジットカードの過払い金が発生しているか無料診断はできますか?

当事務所では借金に関するご相談を無料で承っております

問い合わせフォームまたはお電話にてご相談ください。借入に関する簡単なヒアリングをした後、過払い金発生の有無の診断をします。

問い合わせフォームは24時間受付、お電話は9:00〜21:00の間で対応しております。

Q.クレジットカードの過払い金が返還されるまでの期間はどれくらいですか?

過払い金の返還請求から実際に返還されるまでの期間は3〜6ヶ月が目安です。

専門家に相談し、スムーズに手続きが進めば3ヶ月ほどで返還されるケースが多いです。ただし訴訟などを起こされると6ヶ月以上、中には1年近くかかる場合もあります。

Q.解約済みのクレジットカードでも過払い金の返還請求はできますか?

可能です

クレジットカード会社は過去の取引履歴を管理しているため、すでに解約済みであっても条件を満たしていれば過払い金を返還請求できます。

もっとも、完済から10年が経過すると消滅時効が成立するため、心当たりのある方は早めに手続きを進めることをおすすめします。

クレジットカードの過払い金に関するご相談は当事務所までお問い合わせください

長い間借金を返済し続けている方は過払い金が発生している可能性があります。

過払い金は本来払う必要のないお金なので、払い過ぎたお金は返してもらうことができます。ただし返還請求には時効があるため、お心当たりのある方はできるだけ早く専門家に相談しましょう。

当事務所では、過払い金の返還請求のご依頼を承っております。過払い金があるか調べたいといったご相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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