過払い金請求はデメリットが多い?請求前に確認すべき注意点

過払い金が戻ってくると聞いて、返還請求を検討している方は多いことと思います。

過払い金はそもそも本来払う必要のないお金ですから、払い過ぎているのであれば返してもらうのが当然です。しかしお金が戻ってくると聞いて「何かデメリットがあるのでは?」と不安になる方もいるでしょう。

そこで今回は、過払い金請求のデメリットをまとめました。返還請求をする上での注意点も解説するので、過払い金に関する不安をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

過払い金請求における2つのデメリット

過払い金請求を検討するにあたって、現在の生活に影響がないかを気にされるお客様は多いです。

過払い金請求のデメリットは大きく2つあると考えます。

  1. ブラックリストに登録される可能性がある
  2. 同じ貸金業者からの借入はできない

ここからはそれぞれの内容を詳しく解説します。

デメリット①ブラックリストに登録される可能性がある

過払い金請求をする上であげられるデメリットの1つが、ブラックリストに登録される可能性がある点です。

ブラックリストとは信用情報機関が管理する事故情報のことで、延滞や破産が生じた場合に登録されます。クレジットカードやローンの延滞、債務整理などがよく知られていますが、過払い金請求でもブラックリスト入りする可能性があります。

過払い金請求でブラックリスト入りするのは、現在も返済中の借金があるケースです。(完済しているのであればブラックリスト入りすることはありません)

過払い金請求では利息制限法に従い、正式な利息で計算し直します。これを引き直し計算といい、借金がある状態での引き直し計算は結果が次の2つに分かれます。

  1. 借金がなくなる(=過払い金が発生する)
  2. 借金は減額されるが残高は残る(=過払い金は発生しない)

1のパターンですと、ブラックリストに登録される可能性はありますが、登録期間は半年〜1年ほどです。過払い金請求の手続きが無事に終われば信用情報は回復し、ブラックリストは削除されます。

一方、2のパターンでは債務整理(任意整理)したと判断され、過払い金請求をした事実が事故情報として扱われてしまうのです。また事故情報の登録期間は約5年と、1のパターンに比べると長めです。

ともあれ「過払い金がありそう」「借金の残高が一向に減らない」という状況ならば、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

ブラックリストによる生活への影響
ブラックリストに登録されている間は新たな借入ができません。クレジットカードの申込はもちろん、各種ローンも審査は通らないと思っていてください。
また現在所有しているクレジットカードも解約扱いとなり、近いうちに利用できなくなります。もし公共料金などの支払いに登録している場合は、別の支払い方法への変更手続きが必要です。
もう1つ、携帯電話やスマートフォン端末の分割払いもできなくなるため、信用情報が回復するまでは一括払いなどで対応しなければならないでしょう。

デメリット②同じ貸金業者からの借入はできない

過払い金請求をすると、同じ貸金業者からの再度の借入はできない可能性が高いです。

ブラックリストは一定期間が経過すると自動的に削除されるので、信用情報が回復すれば新たな借入も可能となります。しかし貸金業者が対象の顧客を社内ブラックとして登録していれば話は別です。

というのも、貸金業者は過払い金請求を行なった顧客に対しネガティブな印象を抱きます。今後別の問題が起きるリスクを考えるため、社内ルールのもとその顧客とは以後取引をしないと考えるのです。(もちろんそうでない貸金業者もいます)

もっとも、過払い金請求をした貸金業者が社内ブラックに登録していたとしても、別の会社で借入することは可能です。信用情報機関に事故情報が登録されていなければ、他社のクレジットカードも引き続き使用できます。

過払い金請求の前に確認すべき2つの注意点

以下に該当する場合、過払い金が発生していてもお金を返してもらうことはできません。

  1. 貸金業者が倒産していないか
  2. 時効を過ぎていないか

ここからはそれぞれの注意点を詳しく解説します。

注意点①貸金業者が倒産していないか

貸金業者が倒産していた場合、過払い金請求ができない可能性が高いです。

実のところ、過払い金の返還に追われて倒産した貸金業者は非常に多いです。グレーゾーン金利での貸付が行われていた時代と比べると、貸金業者の数は1/10以下まで減少しています。

倒産した会社に過払い金請求をすること自体は可能ですが、本来返してもらえるはずだったお金の数%程度しか受け取れないケースがほとんどです。

補足として、大手消費者金融が倒産した時の配当率は約3%でした。これは過払い金が100万円発生していたとして、配当金として受け取れるのはわずか3万円であることを意味します。

貸金業者が大手であるほど会社の過払い金債務も大きくなり、結果として1人あたりの過払い金返還額が少なくなってしまうのです。

注意点②時効を過ぎていないか

過払い金請求の時効は最終取引日から10年であり、これを過ぎてしまうと返還請求はできません。

例えば、2000年1月15日に借入をしたとします。毎月返済を続け、2013年1月31日に完済したと仮定しましょう。

この場合の最終取引日は2013年1月31日であり、過払い金請求の時効は10年後の2023年1月31日となります。つまり、過払い金が発生していても2023年1月31日までに手続きしなければお金を返してもらうことはできないのです。

過払い金請求には取引履歴の開示や引き直し計算などが必要です。請求先次第では交渉に時間がかかり、すべての手続きを終えるまでに1年近くかかる場合もあります。

過払い金が発生している可能性のある方は、できるだけ早く返還請求をすすめるのが望ましいでしょう。

過払い金請求における4つのメリット

本記事では過払い金請求のデメリットを中心に解説していますが、返済中の借金がなければメリットの方が大きいと考えていいでしょう。

具体的なメリットは次の4つです。

  1. お金が返ってくる
  2. 完済済みであればブラックリスト入りしない
  3. 家族や職場に知られるリスクが低い
  4. 戻ったお金は自由に使える

ここからはそれぞれの内容を詳しく解説します。

メリット①お金が返ってくる

過払い金請求の一番のメリットはやはり、まとまったお金が返ってくる点です。

本来払う必要のなかったお金であるとはいえ、過払い金請求について知らなければ取り戻せなかった可能性があります。近年はCMや広告で広く知られるようになりましたが、知らずに時効を過ぎてしまうと結果的に損をすることになるでしょう。

お客様の中には100万円以上の過払い金を受け取った方もいます。返済が長期に及んだ、あるいは今も返済中の借金がある方は、過払い金の有無を調べてみるのがいいかもしれません。

過払い金請求にかかる費用の相場
過払い金請求にかかる費用はいくら取り戻せたかによって金額が変わります。
専門家に支払う費用のうち占める割合がもっとも大きいのが回収報酬で、こちらは取り戻した額の20〜25%が上限です。過払い金が100万円あったとして、貸金業者との交渉がうまくいけば回収報酬は単純計算で20万円となります。(訴訟を起こせば25万円)
回収報酬に加えて、1社あたり2万円の成功報酬や解決報酬も発生します。また事務所によって相談料や着手金がかかる場合もあります。

メリット②完済していればブラックリスト入りしない

過払い金請求をするにあたって、過去の借金をすべて完済していればブラックリストに登録されることはありません。

ブラックリスト入りするとクレジットカードやローンに影響を及ぼします。携帯電話やスマートフォンの分割払いもできなくなりますし、奨学金などの保証人になることもできません。

しかし、借金がなければ過払い金請求をしても事故情報にはなりません。基本的には今までと同じ生活ができるため、生活で不便を感じることはほぼないと言っていいでしょう。

メリット③家族や職場に知られるリスクが低い

過払い金の返還請求をしても家族や勤め先に知られることはほとんどありません。

過払い金請求では貸金業者との話し合いが必要となるのですが、専門家が本人に代わって交渉を進めていきます。仮に交渉が難航し裁判になっても、裁判所には弁護士や司法書士が出廷します。

私たち専門家はお客様の事情に配慮して手続きを進めていくため、周囲に知られたくない方は遠慮なくご相談ください。

メリット④戻ったお金は自由に使える

過払い金とは本来払う必要のなかったお金です。

正当な手段で取り戻したお客様のものであり、使い道はお客様の自由です。生活費の足しにするのも、貯蓄に回すのも受け取った本人が自由に決められます。

原則として税金もかかりませんが、以下に当てはまる場合は課税の対象となる場合があります。

  • 支払った利息を経費として申告した
  • 利息(遅延損害金)も取り戻した
  • 生活保護を受けている

過払い金に税金がかかるかどうかは専門家に確認することをおすすめします。

過払い金請求は専門家に依頼すべき?自分でもできる?

過払い金請求は弁護士や司法書士に依頼するのが一般的ですが、実は自分で手続きすることも可能です。

ただし、貸金業者への開示請求や引き直し計算などその内容は非常に煩雑で、知識のない方が一人で進めるのはあまり現実的ではありません。

仮に開示請求や引き直し計算ができたとして、次は貸金業者との交渉が待っています。貸金業者も素人が相手とわかれば、自分が有利になるよう話を進めようとするでしょう。

また交渉がうまくいかず裁判となれば、裁判所へ出廷するため仕事を休まなければならなくなります。裁判所からの書類も自宅に届くので、家族に隠し通すのは難しいかもしれません。

もっとも、自分で返還請求すれば費用を安く抑えられるメリットがあります。過払い金請求にはリミットがあるので、手続きはできるだけ早く行うことをおすすめします。

過払い金請求のデメリットに関するよくあるご質問

過払い金請求のデメリットについて、お客様から多く寄せられるご質問と回答をまとめました。

Q.過去の借金(完済済み)で過払い金請求をした場合、現在返済中の住宅ローンに影響はありますか?

住宅ローンの返済中に過払い金請求をしても大きな影響はないでしょう

過払い金の請求先は住宅ローンを契約した金融機関とは異なるはずです。お客様から「残高を一括返済しなければいけないのか」「家を売らなければいけないのか」といったご相談をいただくことがありますが、一括返済も家の売却もする必要はありません。

実際に、住宅ローン返済中に過払い金請求をしたお客様は大勢いらっしゃいます。基本的にはこれといった影響はありませんが、不安な点は専門家へ相談することをおすすめします。

Q.過払い金請求を検討しています。家族や職場に知られたくないので裁判せずに手続きする方法はありますか?

まず、過払い金請求は必ずしも裁判になるとは限りません

過払い金請求をする際、まずは貸金業者と直接話し合って返還を求めます。これを任意交渉といい、両者が納得のいく話し合いができれば裁判せずに済みます。

仮に裁判になっても、弁護士や司法書士が代理人となれば原則として出廷は不要です。書類も事務所に送付されるので、家族や勤め先に知られず手続きすることも可能です。

ただし、専門家に依頼しない場合(自分で手続きする)は会社に休みを申請したり、裁判所からの郵便物を家族が受け取ったりすれば周囲に知られる可能性はあるでしょう。

Q.過払い金請求について弁護士に相談中です。返還予定額が思っていたより低いので、今から別の専門家に相談できますか?

専門家を変えること自体は可能ですが、いくつか注意点があります。

無料相談や無料診断のみで、委任契約を結んでいなければ費用負担なく別の専門家に変更できるはずです。費用が発生するかどうかは契約の有無や手続きの進捗状況で変わってくるでしょう。

すでに委任契約を結んでいて、貸金業者と交渉を進めているようであれば途中解約で費用を請求されるかもしれません。また交渉も終了しており、過払い金の回収が済んでいるような状況では途中解約は難しいです。

Q.過払い金請求が失敗に終わることはありますか?

ないとは言い切れません

過払い金請求における失敗とは以下のものを指します。

  • 手元に返ってくるお金が少ない
  • 交渉がうまくいかなかった
  • 担当者の対応が雑だったなど

過払い金の額は引き直し計算によって明らかにされます。借入額や月々の返済額、金利をもとに計算するため、基本的にはどの専門家が行なっても金額は同じです。

この結果をもとに貸金業者との交渉を行うのですが、過払い金請求の知識がない専門家が交渉すると取り返せるお金が少なくなってしまうことがあります。

また基本報酬や成功報酬が高い事務所に依頼すると、その分お客様の手元に入るお金は少なくなります。結果としてお客様の満足度が低く、失敗したと感じてしまうようです。

お客様の中には「担当者からの連絡が遅く不安になった」ことを理由に、当事務所へ相談をくださった方もいます。

専門家に相談したからといってその事務所に即決する必要はなく、複数の事務所と話をしてからでも遅くはありません。ご自身が満足できるよう、信頼できる専門家を見つけてください。

過払い金請求はデメリットよりもメリットの方が大きい

過払い金請求でお金が戻ってくることは、お客様にとって大きなメリットです。

お金の使い道は自由ですし、家族や勤め先に知られるリスクもほとんどありません。現在返済中の借金がなければ、デメリットよりもメリットが上回ると考えていいでしょう。

「過払い金を取り戻したい」「過払い金の有無を調べたい」このようにお考えの方は、ぜひ一度当事務所までお問い合わせください。

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