任意整理の流れ|和解までにかかる期間や必要書類を詳しく解説

「任意整理はどんな流れで進めていくの?」
「必要書類や手続き完了までにかかる時間が知りたい」

任意整理は弁護士や司法書士に依頼するのが一般的です。債務整理のプロが代理人になってくれるのは心強いですが、自分の知らないところで手続きが進むことに不安を感じる方もいるでしょう。

そこでこの記事では、弁護士や司法書士に任意整理を依頼した場合の流れをわかりやすく解説します。必要書類や手続き完了までの目安期間についても説明していくので、ぜひ参考にしてください。

任意整理の流れ

任意整理の流れは以下を参考にしてください。

1.弁護士や司法書士に相談

任意整理をするには、弁護士や司法書士など専門家を探すことが最初のステップとなります。

「任意整理 ◯◯(地域名)」で検索すると、その地域にある弁護士・司法書士事務所がヒットします。複数ヒットする場合、債務整理の実績が豊富であり、かつ親身に対応してくれるところを選ぶのがいいでしょう。

電話やメール相談ができる事務所もありますが、任意整理を委任するには原則として面談が必要です。

2.委任契約

専門家との面談で正式に委任することが決定したら、委任契約を締結します。

委任契約とは、「任意整理を委任したい」という債務者の依頼を専門家が承諾する際に交わされる契約のことです。(民法第643条

(委任)

第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

委任契約が締結すれば、弁護士や司法書士が本人に代わって法的手続きを進めることが可能となります。

3.受任通知の送付・取引履歴の開示請求

委任契約後、債権者に対して受任通知の送付と取引履歴の開示請求が同時に行われます。

受任通知は、専門家が本人に代わって債務整理の手続きを行うことを知らせるための通知です。通知が送付されるまでの日数は早ければ即日、遅くても2営業日以内が一般的です。

受任通知には取り立てを停止させる法的効力があるので、任意整理が完了するまでは借金の返済がストップします

この間に借入や返済状況がわかる取引履歴も取り寄せます。取引履歴が開示されるまでの期間は1〜3ヶ月が目安です。

4.引き直し計算

取引履歴の情報をもとに、利息の引き直し計算を行います。

現在の利息制限法では、金利上限が15〜20%と定められています。引き直し計算で過払金が発生していることがわかれば、払いすぎた利息の返還を請求することも可能です。

(利息の制限)
第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一 元本の額が十万円未満の場合 年二割
二 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

5.過払金の返還請求

過払金が発生していた場合、払いすぎた利息の返還請求を行います。

過払金を回収できた場合、追加報酬として回収額の20〜25%が請求されます。

6.和解案の作成・和解交渉

和解交渉に向けて和解案を作成します。

おもな交渉内容は、将来利息のカットと分割払いの回数(年数)です。和解交渉が成立するまでには1〜2ヶ月の時間を要します。

7.和解契約の締結(合意書の取り交わし)

和解が成立したら、双方の間で合意書を取り交わします。

8.返済開始

専門家が和解内容を連絡するので、合意書に記載された通り返済をはじめていきます。

返済は債務者本人が責任を持って行うのが基本ですが、委任契約を継続し支払管理をしてくれる専門家もいます

9.完済

和解契約の返済契約に基づいて完済を目指します。完済までの期間は3〜5年になるのが一般的です。

任意整理の手続きに必要な書類

任意整理をするにあたり、必ず準備しなければいけない書類は次の2点です。

  • 本人確認書類(免許証、健康保険証、パスポートなど)
  • 印鑑

このほか、場合によって以下の書類の提出を求められることがあります。

  • 収入を証明する書類(給与明細、課税証明書、源泉徴収票など)
  • 預金通帳
  • 借入先からの通知書類(契約書、借用書、督促状、内容証明郵便など)
  • 財産や資産がわかるもの(不動産登記簿謄本、車検証など)

裁判所を介さない任意整理は、自己破産や個人再生と比べて必要書類がそれほど多くありません。

必須書類以外は借入金額や任意整理を依頼する事務所によって異なるので、詳しくは専門家に確認しましょう。

任意整理〜和解までにかかる期間

専門家に任意整理を委託し、和解が成立するまでにかかる期間の目安は3〜6ヶ月です。

スムーズに進めば3ヶ月ほどで完了しますが、債権者の対応に時間がかかると交渉が長引くこともあります。

和解成立までは不安が残りますが、交渉中は督促がストップし一時的にではありますが返済の必要もなくなります。そういった点で気持ちに余裕が生まれる方は非常に多いです。

任意整理の費用相場

任意整理を専門家に委託する場合、費用は1社あたり40,000〜50,000円が相場です。別途、解決報酬金や減額報酬金など追加で費用がかかる事務所も多いです。

過払金の回収に成功した場合、回収額の20〜25%が請求されることがあります。

当事務所では、任意整理を以下の費用でご利用いただけます。

  • 着手金/1社44,000円(税込)
  • 実費等/1社5,500円(税込)

詳しくはこちら

当事務所では交渉にも自信があります。だから和解ができなかった場合は着手金の全額返金保証をしています。

また解決報酬金や減額報酬金などの追加費用はかかりません。費用も長期分割払いにも対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

任意整理で和解できない場合の対処法

任意整理ができない場合、以下2つの方法で借金問題を解決できることがあります。

  1. ほかの債務整理(自己破産・個人再生など)を検討する
  2. 別の専門家に相談する

任意整理ができない方には、自己破産や個人再生など別の手段をご提案することがあります。

自己破産にネガティブなイメージをお持ちの方もいますが、自己破産をしても最低限の財産は保有できます。債務がすべて免除される点も長年借金の返済に苦しんできた方には大きなメリットといえるでしょう。

弁護士や司法書士に断られたという理由で任意整理できない場合は、別の専門家に相談することをおすすめします。

任意整理は、一度断られたからといって絶対にできないと決まったわけではありません。複数の専門家に相談し、ようやく親身に対応してくれる事務所を見つけたという方もいます。

諦めずに相談して相性のいい専門家を見つけていきましょう。

任意整理ができないのはどんな時?6つのパターンと対処法を紹介

任意整理の流れを把握してスムーズに手続きを進めましょう

任意整理は弁護士や司法書士に依頼すると、本人が行う手続きはほとんどありません。

かといって専門家にすべて丸投げすると、手続きの流れや和解成立の時期がわからず不安な日々を送ることになります。手続き完了まで少しでも安心して過ごせるよう、任意整理の流れはある程度把握しておきたいものです。

当事務所では、任意整理の流れや費用、和解が成立までの期間を丁寧にご説明しております。お電話かメールで借入額を教えていただければ、月々の予想返済額をお伝えすることも可能です。

一人ひとりのご依頼者様に合った方法をご提案させていただきますので、借金でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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