借金の時効を成立させるには「時効の援用」という手続きが必要です。
時効の援用は司法書士や弁護士など、法律の専門家へ依頼できます。
「司法書士と弁護士どちらに相談すべき?」
「費用を少しでも安くおさえたい」
このような疑問や不安を解消するため、本記事では時効の援用を専門家に相談した場合の費用や支払い方法をわかりやすく解説します。
当事務所は借金問題を専門に取り扱う司法書士事務所です。借金でお困りの方はお気軽にご相談ください。
目次
時効の援用はどこに頼む?3つの依頼先
時効の援用を行う場合、依頼先の選択肢は3つあります。
- 司法書士
- 弁護士
- 行政書士
まずは3つの相談先の特徴を見ていきましょう。
依頼先①司法書士
司法書士は法律の知識にもとづき、各種手続きを行う法律の専門家です。
借金問題をはじめ不動産や商業・法人の登記、裁判所へ提出する書類の作成など幅広い業務に対応します。
司法書士はたびたび弁護士と比較され、どちらに相談すべきかで迷われる方もいるでしょう。お客様からお話を伺うと「弁護士よりも安かった」という理由で司法書士を選択された方がいらっしゃいました。
実際のところ司法書士の方が安く済む傾向にはありますが、かかる費用は相談する事務所やお客様の状況によって異なります。
時効の援用を司法書士に依頼する場合、1点注意しなければいけないのが借金の額です。
司法書士法には、訴額140万円を超える民事事件の相談や和解、代理は行えないとの定めがあります。
民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)の規定による手続であつて、調停を求める事項の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの
引用元:司法書士法第三条第六項第ニ号
訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
引用元:裁判所法第三十三号第一項
したがって1社あたり140万円以上の債務がある場合、時効の援用を依頼できるのは弁護士に限定されます。
依頼先②弁護士
弁護士は法律全般に関する業務に対応できる法律の専門家です。
弁護士=裁判のイメージですが、裁判の代理人だけでなく法律相談や契約書の作成などすべての法律事務を行えます。時効の援用や債務整理といった借金問題の相談も可能です。
弁護士は法律に関するすべての事案に対応できるため、原則として◯◯専門というのはありません。(特定の分野を扱うことが多いという理由で「◯◯に強い」といった広告を出している事務所はあるようです)
どのような法的トラブルも相談できる点が、司法書士との大きな違いであると言えるでしょう。
依頼先③行政書士
行政書士は個人または法人に代わり、官公庁へ提出する書類を作成する法律の専門家です。
司法書士や弁護士に比べると対応できる業務が限定的であり、時効の援用においては内容証明※の作成と送付のみ可能です。(裁判の手続きや紛争性のある事案の交渉などを行政書士が行うことはできません)
費用を安くおさえられる点は大きなメリットですが、内容証明以外の手続きは自分で行う必要があります。
債権者への連絡や裁判対応など知識のない方には難しい手続きが多いため、場合によっては時効の援用が失敗に終わる可能性があります。
このデメリットをカバーできるようであれば、行政書士に依頼するのも一つの方法です。
※差出人の氏名や宛名、文書の内容などを日本郵便が証明してくれる郵便サービスのこと
時効の援用は自分でもできる?可能だがおすすめはしない
時効の援用に法律的なルールはないため、専門家に依頼せず自分で手続きをすることも可能です。
極端な話をすると、債権者に「時効の援用をします」と電話で伝えるだけでも手続きとしては成立するのです。
ただし電話連絡だけでは債権者が電話を受けた事実はどこにも残らず、相手が無効を訴えてきても反論はできません。
また時効が成立していない状況で手続きをすると改めて督促されたり、訴訟を起こされたりする可能性があります。
時効の援用には債権調査や時効可否の照会など、さまざまな手続きが必要です。準備が不十分であれば、時効の援用をする側が不利な立場になることが容易に想像できます。
「節約のために自分でやりたい」といったご相談もいただくのですが、失敗した時のリスクを考えるとご自身で手続きすることはおすすめしません。
そもそも時効の援用ができるかということも含め、まずは専門家に相談することを強くおすすめします。
時効の援用を司法書士に依頼するメリット・デメリット
以下の表に時効の援用を司法書士に依頼するメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
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時効の援用が成立すれば、遅延損害金を含むすべての借金の返済義務がなくなります。
督促もなくなりますし、JICC※に登録された事故情報も削除されます。いわゆる「ブラックリスト入り」した状態ではなくなる点は安心材料の一つと言えるのではないでしょうか。
また法律の専門家である司法書士に依頼すれば、自分で手続きするよりも成功率が大幅に上がります。
しかしながら、時効の援用は必ずしも成功するとは限りません。
タイミングを誤れば時効が成立するどころか時効が更新されてしまう上、遅延損害金も加算されます。
さらに、時効の援用を優先させると過払い金請求ができなくなる可能性もあります。
時効の援用を成功させるには専門知識と経験が必要です。もし失敗すると、残された道は借金を全額支払うか債務整理をするかの2択のみです。
経験豊富な専門家に依頼すればタイミングを誤ることはまずありません。失敗のリスクを最小限におさえるためにも、時効の援用は専門家に依頼することが推奨されるのです。
※日本信用情報機構の略称
時効の援用を司法書士に依頼した場合の費用
時効の援用を司法書士に依頼する場合の費用は、1社あたり30,000〜50,000円が相場です。
この金額に加え、内容証明や配達証明にかかる費用も実費で請求されます。また着手金のほか、相談料や成功報酬が発生する事務所もあります。
借金がある中で費用を捻出するのは困難だと考える方もいますが、無料で法律相談ができたり費用を立て替えてもらったりすることができるのです。
法律扶助があれば、経済的に余裕のない方でも時効の援用を行える可能性があります。
借金でお悩みの方は、どのような方法で問題を解決できるのかを含め専門家へ相談してみることを検討してはいかがでしょうか。
なお当事務所では着手金29,700円、実費等3,300円※で時効の援用を行っております。
相談は何度でも無料なので、時効の援用を検討中の方はお気軽にお問い合わせください。
時効の援用の無料相談はこちら
※費用はどちらも1社あたりの金額です
※費用はすべて税込表示です
※時効でなかった場合は着手金を全額返金いたします
※裁判が必要な場合は1社につき55,000円がかかります
時効の援用の費用は分割で支払える?支払い方法は事務所によって異なる
時効の援用にかかる費用の支払い方法は、事務所によって考え方が大きく異なります。
というのも、時効の援用は借金を返済していないために行う手続きであり、弁護士・司法書士費用も踏み倒されるのでは?という心配が残るためです。
借金問題を得意とする専門家は、お客様の経済状況をある程度理解しています。
そもそも返済が困難なために専門家を頼っているわけですから、そのような相手に一括で払ってくれとは言えないのが本音です。
当事務所としてはお客様が生活を再建するお手伝いをしたいという思いがあるので、時効の援用でも分割払いを可能としております。
支払い方法を理由にお客様が問題解決のチャンスを逃すことのないよう、精一杯対応させていただきます。
時効の援用の無料相談はこちら
時効の援用はどうやる?手続きの流れ
時効の援用は次のように進めていきます。
- 借金が時効を迎えているかを確認する
- 時効援用通知書を作成する
- 債権者に内容証明を送付する
- 債権者が時効の援用を認める
- 時効の援用が成立する
時効の援用を行うには、まず借金が時効を迎えているかを調べなければなりません。
JICCやCIC、KSCといった信用情報機関に開示請求を行い、過去の取引履歴から時効となる期間を計算します。
時効を迎えていることがわかれば時効援用通知書を作成し、内容証明で債権者へ送付します。債権者が時効援用通知書を確認すると時効の援用は完了です。
手続きにかかる期間は早くて2週間程度、遅くても1ヶ月ほどです。
時効の援用が完了すると借金を完済したとみなされ、信用情報機関に登録された事故情報は削除されます。(削除のタイミングは信用情報機関によって異なります)
大阪で時効の援用をするなら【りらいふ法務事務所】までご相談ください
時効の援用は司法書士や弁護士など、法律の専門家に依頼することで成功率が大幅にアップします。
自分一人でもできないことはないのですが、失敗した時のリスクを考えると知識のない方が苦労して行うのはおすすめできません。
餅は餅屋ということわざがあるように、時効の援用も専門家に相談するのが最善です。借金でお困りの方は一人で悩まず、一度専門家に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
当事務所は大阪市にある借金問題専門の司法書士事務所です。時効の援用をはじめ、任意整理や自己破産、過払い金請求などに幅広く対応しております。
万が一時効の援用が成立しなかったとしても、費用を充当して任意整理を行うことも可能です。
一人ひとりに合わせて最適な方法をご提案しますので、不安や疑問はお気軽にお問い合わせくださいませ。借金問題を解決に導き、生活を立て直すためのお手伝いをさせていただきます。